!DOCTYPE html PUBLIC "-//W3C//DTD XHTML 1.0 Transitional//EN" "http://www.w3.org/TR/xhtml1/DTD/xhtml1-transitional.dtd"> リンデンバームのキッチンから:2012年08月 

京つう

グルメ・スイーツ・お酒  |洛中

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Posted by 京つう運営事務局 at

2012年08月27日

カラスミのパスタ



冷凍庫の霜を落としていたら下の方からカラスミが出てきた。

寺町でレストランをしていた時のものだから4年間冷凍庫の中で眠っていた事になる。

カラスミなんて保存食だから基本的に一生もの。

早速マカナイに落とす。

まずはスパゲッティアルブーロ(オリーブ油を使わずバターで仕上げる)を作り

皿に盛りマイクロプレーングレーターと言う道具で

カラスミをパスタにタップリとかけたら出来上がり。

もちろん美味しいに決まっている。



カラスミのパスタといえば25年前スイスで働いていた時の事を思い出す。

スイスでいた街はシーズンには、モナコからやアラブの王様が来るような高級別荘地。

でも京都で言えば美山町みたいなところでい気が詰まるから月に一度はパリかミラノに行った。

お金があるときはパリに。

お金がないときにはミラノに行った。

当時はスイスフランがイタリアリラに対してやたらと強かったからと

イタリアの物価が安かったから買い物をしてもご飯を食べにいっても安心して食べる事が出来たから。

ミラノの中華料理は広東料理で京都の老舗の中華料理屋さんで食べるのと同じ味でとっても楽しみだった。

だから初日は中華をランチで食べてディナーは3星クラスのイタリアンへ行き、

二日目のランチにまたまたイタリアンに行きカラスミのパスタを食べた。

当時でもカラスミのパスタは高級品だったけれど、スイスフラン換算をしたら

セカンドハウスでタラコのスパゲティを食べているような値段で

僕自身もタラコのスパゲティを食べている感覚だった。

日本では余り食べなかったんだけど異国の地となると選択肢が限られるからか

食べなかったものでも美味しく感じて好物になったりするから面白い。

その後イタリアの物価もだんだん上がりユーロになってからは更に上がっているから

そんな偉そうなこともできなさそう。



いい時代だった。

  

Posted by jos at 21:33Comments(0)まかない

2012年08月23日

ミュンヘナーバイスブルスト



お盆前後にソーセージもテリーヌも良く売れありがとうございました。

その為にストックがなくなり埋めるのに大変だったけれどようやく一段落。

ヤレヤレ。

夏だからかバーベキューソーセージ、ドイツ語で言えばブラートブルスト。

でもうちは日本で唯一のシャルキュトリーだからソーシスアロチ―ルが良く売れる。

やはり粗めにミンチにした肉がバーベキュー独特の肉を食っている感があるからか。

が、しかしシャルキュトリーと言いがらも諸々の事情(大人の事情ともいうかな)

でドイツタイプのソーセージも多々作っている。

と言っても矛盾がそんなにある訳でなく(何故ならうちはアルザスのシャルキュトリーだから)

堂々と作れるいい訳もある。

少し涼しくなり人気が出てきたのがこのミュンヘナーバイスブルスト。

まだストックがあると思っていたらまとめ買いをするお客さんが続いたからか急になくなり

急いで作る事になった。

通常のバイスブルストは割と縛りが少ないんだけどミュンヘナーがつくと

縛りが多くて用意が大変。

まず豚腸に詰めて90g~100gでゆでて柔らかくなった豚皮か豚頭(うちは豚皮)、フレッシュなパセリ

そしてレモンの皮で爽やかな香り。

茹であがりのムチムチのミュンヘナーバイスブルストの皮をむくとフワフワのスフレみたいな

生地が出てくる。それに日本人的には馴染みのない甘いマスタードをタップリつけ食べる。

CMなんかで見るオクトーバーフェストでは定番だからこれから10月にかけ更に人気が出てくる

ので気をつけないとすぐに品切れになる。

頑張って品切れを起こさないようにしなくては。

ガンバリマス。

  

2012年08月13日

ソーシスォロマラン



お盆休み真っただ中。

BBQをするお客さんが多いのかバーベキュー向けのソーセージをというお客さんが多い。

当然、夏向けにBBQソーセージもいくつか作っているけれど

何種類か買われたお客さんに更にお勧めするのがローズマリーのソーセージ。

スタッフが好きだからか、わかりやすいからか良く売れる。

ただ特徴があるから売り易いだろうけれど作る方は大変。

ローズマリーのしっかりとした香りはドライローズマリーに

そしてフレッシュな香りをフレッシュローズマリーと使い分けている。

そのフレッシュローズマリーがポイントになるけれど、

松の葉みたいになったローズマリーは当然、香りも変に強すぎたりボケていたりするし

食感もシガシガとして絶対に、僕は食べたくない。

そんなものお客さんにも食べさせたくはない。

それじゃ、どうするのか。答えは新芽の柔らかな葉っぱだけを使う事。

丁寧に枝から新芽だけをつまんで分量を作る。

これが大変な手間だし大きな枝からせいぜい1㌔ぶんくらいしか取れない。

忙しかったり追われていたりするとイライラするけれど好きでやっている仕事だし仕方ない。

なんやかんやで小一時間ローズマリーの葉っぱをつまむ。

お客さんは大変ですねって言ってくれるけれど、それ以上に出来上がったソーセージは

手間をかけただけの仕上がり。まぁ満足なローズマリーソーセージ。

BBQにどうぞ。

 

  

2012年08月10日

煮込み鍋 cousance



この鍋はクーサンスのドゥーフーって言う名前の鍋で26年前にフランスで買ってきた鍋。

大きさの違う鍋をマトリョーシカみたいに入れ子にして機内持ち込みで持って帰った物。

昔は今みたいにうるさくなかったから重量で言えば15キロ弱にもなるこんな金属の塊を

持ち込む事も出来た。もちろん途中で引っ掛かったりするけれど、

大概みんな煮込み用鍋って言う事がわかった時点や職業を職務質問してきた時点でキュイジニエと答えると

a bon とか言って笑って通してくれた。いい時代だった。

この鍋の会社は何年か前に倒産してルクルーゼに吸収されたらしい。

フランスやイギリスのお洒落な料理雑誌によくコーディネートされていたりするからナカナカ自慢の

コレクションの一つ。

でもだからと言って飾っておいても仕方ないし使わないと意味がない。

だからうちでは結構活躍してくれている。

今みたいにルクルーゼやストウブの鍋が流行る前から煮込みにもローストにも大活躍していた。

前記のルクルーゼやストウブに比べいいところは写真みたいに鍋のところに氷や水を入れると

煮込んでいても蓋についた蒸気が水になりソースが煮詰まる事がない。

いいでしょう。うらやましいでしょ。

でも買えない。残念ですね。

うちではこれからも美味しい料理をこれで作って行きます。  

Posted by jos at 21:21Comments(0)道具

2012年08月05日

コンソメ ドゥブル



お世話になった方が体調を崩してはるらしい。

この季節、健康な人間でも体調を崩すし、食欲もなくなる。

栄養も薬からじゃなく食べ物から取る方が体には優しいから京都の美味しいものを

何か送りましょうか?と聞いてみた。

おぼろ豆腐なんか口当たりがいいけれど割と全国どこにでもありそうだし

森嘉の辛子豆腐なんかピリッとして食欲が進みそう。

でも体調を崩している少し刺激がきついかもしれないし

それなら無難に湯葉系(刺身湯葉やくみ上げ湯葉)なんか喜ばれそう。

お出しと食べたら食欲がなくっても食べられそうだし。

後、竹ようかんなんかもツルッと食べられそう。

そして僕にしかできない事としてコンソメを作る事にした。


まずどんなコンソメを作るか。

体調を崩している人が食べるんだからまず栄養、そして癖のない食べ易い物

と言う訳でベースになるコンソメサンプルはヒネ鶏をメインにする。

癖なく又ダシがしっかり出るようにヒネ鶏は骨ごと小さな塊に切り分け一旦湯通しをして

アクと汚れを丁寧に取る。鍋に体に良さそうなオーガニックのミルポワ(ニンジン、玉ねぎ、セロリ)

を加えそのまま5時間ゆっくりと煮だす。

充分味が出ている事を確認してザルで漉して、2番をとる。

お湯を足して1時間煮出し濃いコンソメサンプルをとり1番と合わす。

翌日、脂を丁寧に除いた和牛のすね肉を粗めのミンチにしてスライスしたミルポワと

卵(料理本では卵白と書いてあるけれど全卵でも何ら変わりない昔は全卵で作ってたから)

を良く混ぜ前日取ったコンソメサンプルを加え沸かし始める。

なんか迷信みたいにコンソメは難しいと思われているけれど、そんなに難しいものではない。

タンパク質の凝固点の58度を超えて固まりきらないうちまで頑張って混ぜて

70度前後で混ぜるのを止めて後は勇気の強火で沸かせばいいだけ。

でも15年ぶりに取るコンソメは沸かすまでの間は審判を待っているみたいで

ドキドキする。絶対大丈夫とわかっているけれど、結構不安の10分間。

沸いて肉がハンバーグみたいに固まり浮いてきたらそのまま4時間煮て漉したら

コンソメドゥブルの出来上がり。

味見をしてみると全く癖のないコンソメ。

栄養と旨みがギュッと詰まったコンソメ。

癖がなさすぎレストランで出すには厳しそうだけど、癖がないからスルスルと飲めそうだし

栄養をとる為に和風だしの代わりに使う事も出来そう。

喜んでもらえるといいけれど。  

Posted by jos at 21:22Comments(0)特別メニュー

2012年08月01日

桃のタルトタタン



お中元も一段落。

たくさんの注文をありがとうございました。

ただ関西はお盆まではお中元シーズンらしくまだ少しずつ注文も来る。

しかし一時ほどのバタバタ感はなくなってきた。

そういえばお客さんと約束をしていた事を思い出した。

タルトタタンのファンの方だったけれど余りに惜しんでくれはるので

夏になって桃が出回りだしたら桃でタルトタタンを作りますとツイ言ってしまった。

約束した以上は作らなくてはいけない。

桃を1ケース取って固めの桃を選ぶ。

理由は熟れていない方がペクチンも多いし、しっかりと煮込めるから。

パイはもちろんフィユタージュ。でも夏だから生地がだれるので冷蔵庫の中で伸ばして折って行く。

後はリンゴと同じ工程で進めていく。

多分、酸を補ったやらないとペクチンが反応しないと思うのでレモンを少し絞る。

途中水分が多い為煮詰めるのに時間がかかったけれど

ようやくいい加減に煮詰まりパイをかぶせオーブンに。

そのまま40分焼いて出来上がり。

スタッフがツイッタ―で呟いたら早速半分以上が売れてしまった。

予定では後、二回ほど作るけれど予約受け付けます。

タルト1ピースに桃が1,5個も入るとっても贅沢なタルト。

太っ腹で1ピース450円です。



  

Posted by jos at 22:52Comments(0)デザート