!DOCTYPE html PUBLIC "-//W3C//DTD XHTML 1.0 Transitional//EN" "http://www.w3.org/TR/xhtml1/DTD/xhtml1-transitional.dtd"> リンデンバームのキッチンから:2011年03月14日 

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2011年03月14日

鴨のコンフィ



今では信じられない事だと思うけど25年前の日本のフランス料理界には

コンフィって言う料理は存在しなかった。

バジルなんて今なら大概のスーパ―に置いているし誰でも知っている。

バジルのスパゲティが食べられると聞いて河原町のBALの横を入って行った

イタリアン(当時イタリアンはまだ一般的ではなかった)に行って

スパゲティバジリコを頼んだら青紫蘇のパスタが出てきた。

タイムやローズマリ―なんて言うのももちろん乾燥ハーブはあったけど

フレッシュなんてみた事もなかった。

だから働いていたホテルの裏の畑にラズベリーがなっているのや

ローズマリーを見て感心していたら見習いの子にバカにされたりもした。

そんなだからまかないで鴨のコンフィが出た時は衝撃だった。

ヨーロッパの料理の知恵の深さにとても感心した。

僕の性格としてはそんな事になるとそればかり食べたりするんだけど

パリに行ったらミシュランガイドを持って何軒も何軒も鴨のコンフィばかり食べ歩いた。

鴨のコンフィ自体はそんなに高い料理でもないし経済的には楽なんだけど

流石に同じ料理を続けて食べると飽きてくる。

でも日本に帰ると食べれないと思うと頑張って食べた。

その結果コンフィって料理の最大公約数的な事は理解できた。

皮を焼かずに出す店もあったし皮を色づく程度に焼いてくるお店が多かったように思う。

ホテルでは温めるだけだったし。

今日本のビストロ料理の定番になったいるコンフィだけど、大概のお店は皮をカリカリに焼いてくる。

皮をカリカリに焼かなくてはいけないかのような脅迫観念に追いかけられているかのように。

でもコンフィって低温の油脂で身をシットリと加熱する事に細心の注意を払っているのに

何故仕上げの時点で皮を大切にして身を雑にするんだろうか、

結果として皮はカリカリ何だけど身はワラみたいにバサバサになっている。

その矛盾が僕には理解できなかった。

フランスは身のしっとり感を大切にしているような気がする。

結果として皮は中途半端なカリカリ具合なんだけど。

皮のカリカリ感を大切にするならわざわざコンフィにせず

グリルチキンやチキンのレンガ焼きみたいに焼いたら美味しいと思うんだけど。



でも料理ってあくまで個人個人の主観的なもんだからお客さんの好みで

食べてもらったらいいんだろうけどオリジナルの美味しさも知ってほしいなー

鴨のコンフィの身のしっとりとしたのってホントに美味しいんですよ。

通常80度で3時間から5時間の加熱だけどうちは

更に低温の75度8時間で仕上げているからとてもシットリと柔らかな仕上がりです。

一度試してください。